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はじめまして。父を助けたい一心でいろいろなサイトを調べていてやっとここにたどり着きました。どうかお願いします。

質問の趣旨はこうです。硬膜下血腫の手術の予後が悪く、3ヵ月後にはMRSA肺炎を起こし、6ヵ月後の今は痴呆がどんどん進んでいて流動食をチューブで摂取している状態です。このような経過は一般的なのでしょうか?それとも何か見落としていることがありうるのでしょうか?

以下に詳細を説明します。
父は79歳、高血圧・脳梗塞の病歴があるので脳外科には定期的に通っていました。昨年11月に出先で転び、経過観察していたところ一週間くらいたって頃吐き気を訴え、硬膜下血腫と診断されました。主治医は、「簡単な手術ですぐ退院できます」と言ったのですが術後(洗浄術です)から意識不明になり、脳圧も高いままでした。

家族はこの経過に納得できませんでした。1週間ほどたって意識が戻ると自分の年齢と住所を過去のものと取り違えていました。痴呆も出てきて寝たきりになるのを恐れて大学病院へ転院。
そこでドレナージ術を受けましたが、痴呆はさらに進みました。ただ硬膜下血腫じたいはCTの結果直っているので、リハビリ病院へ転院。

しかし、痴呆は進む一方で認知力だけでなく体の機能の衰えも激しいのです。もう歩くこともできず、無理やりリハビリさせるのもかわいそうなくらいです。肺炎の後には嚥下障害も出て、流動食に切り替わり弱っていく一方です。始めの手術で「簡単」と言われただけに家族としては「どうして?」と思わざるをえません。
今では読み・書き・話すことはおろか、家族の顔も分かっているかどうかという状態です。

水頭症もあるのですが全身状態が悪くて手術はできないそうです。せめて手術ができるくらいに回復することは望めないものでしょうか?先生のお考えをお聞かせください。

その後、お父様の状況はいかがでしょうか。

慢性硬膜下血腫は、一般的に外傷後一ヶ月ぐらいを経て症状が出てきます。お父様の場合は1週間と早かったのが気になります。可能性としては、普通の慢性硬膜下血腫、慢性硬膜下血腫の急性憎悪、亜急性硬膜下血腫、悪性腫瘍の硬膜転移による硬膜下血腫などが考えられます。血腫自体の性状はどうだったのかが気になるところ(それでいろいろなことがわかります)ですが、すでに転院もされたようですからなかなか情報もわからないと思います。

何故、意識が戻らなかったのか・・・・慢性硬膜下血腫だけでそんなに脳がはれてしまうのか、意識が戻らないほどの事が起こるのか。はっきり言って僕にもよく分かりません。
多分、主治医の先生も同じ気持ちでしょう。亜急性硬膜下血腫なんかでは、時々起こることなのですが。亜急性硬膜下血腫は、慢性と違って、かなりなダメージを脳表面に与えます。そのため、術後の経過も思わしくないことがあります。
また、79歳というお年、脳梗塞がもともとあったということなどを考えると、新たな脳梗塞などの不測の事態が合併した可能性もあると思います。

その後、意識も戻られたそうですから、今のところは硬膜下血腫自体は悪さはしていないということでしょう。
痴呆症状の進行は、おそらくはそういった状態で入院されているためではと思います。リハビリや外出によって、つまりいろいろな刺激を与えることで結構元に戻ることも多いものです。
ただ、やはりその場合もお年が問題となります。こういった大きな病気でなくとも、ちょっとした風邪で入院しただけでお年寄りの痴呆症状が進んでしまうことはよく見られます。

また、併発した水頭症でも痴呆症状は出てしまいます。この場合は、やはり低侵襲の手術を考えねばなりません。
MRSA肺炎に関しては、残念ながら日本の病院へ入院して、そういった状況になると感染はもはや防ぎようがないのが実情です。
ご家族としては納得がいかれないとは思いますが、現状はそうなのです。

うーむ。どうしても悲観的なお話に終始してしまっていますね。
おそらく、ある水準以上の治療をスタッフはやっていると思います。では、どうすればいいか?ご家族としてどうすればいいか。
西洋医学的なアプローチはちゃんとやっていると思います。なかなか魔法の杖はないのですが・・・・・・
これは、誰にでも効くとはいえませんが、実は数人の方でそれなりの効果があったことをお話しますね。
ただ、効果がなかったとしても、文句はおっしゃらないでくださいね。

以前、大学病院で79歳の方の脳腫瘍を手術したときのことです。手術自体はうまく行ったのですが、術後はお父さんと同じように経過が思わしくありませんでした。
肺炎も併発し、意識も低下し、効くはずの抗生物質もまったく効果がありませんでした。
ジリ貧の状況が続いてしまいました。
まったく、西洋医学が効果がないのです。打つ手がなくなったとき、ふと、西洋が駄目なら東洋だと思いました。

で、できることは何か。考えあぐねた挙句、足の裏のマッサージをすることに決定しました。当初、あまりの恥ずかしさ?で、看護婦に隠れてこっそりやっていましたが、なぜか少しづつ、熱が下がってきたのです。
確か、一ヶ月も続けたでしょうか、そのころには看護婦さんたちも協力的になっていましたが、肺炎は完治していました。勿論、抗生物質は続けていましたよ。
で、それから、僕の勤めていた大学病院の脳外科病棟の回診車には、足つぼマッサージのつぼ押し棒が入っていました(笑)。看護婦さんたちもほかの患者さんに時間があったときにはやってあげてたようです。

ぐいぐいやる必要はありません。病院へいかれたときに足の裏をマッサージしてあげればいいと思います。
ただし、こういったことはうまくいくかどうかはわかりません。効く人には効くというのが東洋医学です。ただ、これぐらいなら、副作用もないし、第一、お父さんも気持ちが良いと思います。

健康食品はどうか・・・これは、肝臓に対して変な副作用があることもありますので、あんまりお勧めはしません。ただ、もしもお使いになりたいのであれば主治医の先生とご相談のうえお使いください。

あくまでも参考意見です。また、この患者さんもやはり、脳腫瘍自体の悪化で、最終的には不幸な結果に終わってしまいました。ただ、それまでの間が軽快したというお話です。

すみません。なんか、近所のおせっかいなおっさんの話になってしまいました。
ただ、希望をなくしていただきたくないこと、それとそうはいってもやはり79歳というご高齢のお父さんさんの残された時間をどうしてあげるか。どう家族と過ごすか、それを考えていただきたいと思うのです。

舌足らずで、ちゃんと伝えられたかどうか引っかかっています。
ともかく、前を向いてお過ごしください。
お大事に



「回答へのお返事」

お返事ありがとうございました。
あれから一月以上たって、父の様子も少し安定してきました。
痴呆は相変わらずですが、ご相談申し上げた頃より体の調子がよく、家族一同少し安心しているところです。
「慢性硬膜下血腫」と書きましたが、なんとその後「急性硬膜下血腫」だと知らされました。それであれば、術後はあまりよくないことが多いのだから、そのような説明がなされて当然だったのでしょうに。「急性硬膜下血腫で、手術は簡単、後遺症もなくすぐ帰れる」という説明は納得がいきません。そのとき私は立ち会っていませんでしたのでなんともいたし方ないのです。

いずれにしても、治療そのものについてはこれ以上どうしようもないことが良く分かりました。
また、足裏マッサージですが、なんと偶然にも私がいっているときにはやっていたのです!
そのせいか、最近調子がよく、手術後初めてというように、痴呆の進行が止まって少し改善してきたように思えます。

肉親が病気になったときは、本当にわらをもつかむ思いでいることが今回の経験を通してよく分かりました。
そういう私たちに、親身になって相談にのっていただき本当に感謝しています。
もしインターネットがなかったら、とても耐えられないことでした。
このホームページがどんなに救いになっているか、お伝えしたいと思います。
まずはお礼まで。




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