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はじめまして。
実は私、母の病状を振り返っては、納得のいかない悶々とした毎日を送っておりました。今日偶然にもこのホームページに出会い、“救いの神様”と思い早速メールをさせて頂いております。
何卒、宜しくお願い申し上げます。
以下経過をざっと書かせて頂きます。

平成16年3月3日
夕刻5時頃、突然の激しい頭痛に襲われたものの、その晩一夜を家で過ごす。ずっと意識もあり。

平成16年3月4日
自力歩行もできて病院を受診。くも膜下出血で後交通動脈瘤破裂との診断。(受診時には止血していた)
夕刻より再出血防止のクリッピング術。輸血する事もなく順調に手術が進行し頭の骨も元通りにおさめたとの事で3時間半かからない位の所要時間で手術終了と医師の説明があり。ICUに入院。

平成16年3月5日
朝、CT撮影の結果、加齢による可塑性の欠如で出血性梗塞をおこしているとの事で開頭緊急手術。前頭葉切除。
意識は2日目に戻る。左半身麻痺が見られる。血管れんしゅく予防の為血流促進の対応。

平成16年3月18日
気管切開し管を挿入。その晩、急遽ICUが満床になりHCUに移動させられる。新しいベッドに落ち着くまでに結構時間がかかった様子。

平成16年3月19日
CT撮影の結果、脳の右半分全体的に梗塞をおこしている事が判明。

平成16年4月前半
目を開けている時間が増え手を握ったりして反応をよくするようになった。

平成16年4月後半
顔の表情が暗くなり、頭痛、今まで以上に熱がある様子。昼間に今までに無い深い眠りをするようになる。

平成16年4月28日
頭のはれがずっと続いていて、熱もありがちな毎日であった。この日も少しのはれが残っていたが頭の骨をおさめる。併せて、脊髄から髄液を抜く。

平成16年5月〜
深い眠り中心の日が多い。

平成16年5月26日
水頭症のシャント術を受ける。

5月末頃にから意識がはっきりしてくる。その後、日が経つにつれタンも少しずつ減ってきた。そして発声練習、経口で食物を摂る訓練が加わる。一日一食から3回へと経口食の訓練が増えるに従って、痰がらみも増し、7月20日からまた鼻からチューブでの栄養摂取となる。これ以降ほぼ8月下旬まで、無気力状態が続いていた。

8月末になってようやく気持ちが前向きになり、こちらのリハビリの働きかけに対して意欲を見せて反応している。こんな具合で、入院を継続して今に至っている。
現在、状態に大きな変化は無く、気管挿入はそのまま。もちろん言葉は話せず。ただ指で字を書かせると正しく書け、こちらの言う事はよく理解できている。右手、右足が動くのみで、寝返り一つできない。鼻から栄養摂取。
こちらのリハビリとしての働きかけに対して、意欲的な気持ちを持ち続けている。

ざっとこのような経過をたどっています。それにつけても、意識ある状態で手術を受け、なぜここまで障害を負うはめになったのか疑問が残ります。もう入院してから7ヶ月が経ちました。近い内に転院するように促されています。
お時間を頂戴して申し訳ございませんが、上記中もし何か問題点のようなものにお気づきでしたら、お教え願えないでしょうか?
そして今後のリハビリも含めてアドバイスがございましたら宜しくお願いいたします。
長い闘病生活になろうと思います。家族として、なんとしても支えてやらねばと思っています。

大変苦しんでらっしゃる御様子、しかと受け止めました。
くも膜下血腫は、今でも大変後遺症・死亡率の高い病気です。
ただそうはいっても術後出血性梗塞を起こしたり、水頭症を起こしたりすると、ご家族としてはなかなか納得がいかないことと存じます。
お母様のことではなく、一般論として申し上げると、医療が進んだと言っても、すべて起こりうる合併症だということです。
くも膜下血腫は以前別の方にお答えしたので、詳細はそちらを参照していただくとして、あくまでもクリッピングと言う手術は、再出血を防ぐ意味しかなく、今ある症状を和らげたり、後遺症をなくするものではないのです。
これが医学の現状と限界なのです。(なぜかこういう話には我々は敗北感と罪悪感をかんじざるを得ません)
で、お母さんの病状を何とかするには、やはり、リハビリと言い古された言い方になりますが、献身的な看病と言うことになります。
もはや、我々脳外科医がお手伝いできることはかなり少ないと思います。

ただ、最近私がやっているリハビリのひとつが、栗本慎一郎さんもやった鏡を使ったリハビリです。
両手の間に鏡を置いて、鏡に映った手を見ながらリハビリをするというものです。
脳梗塞の患者さんにはある程度の効果がありました。残念ながら、くも膜下出血の患者さんには使った経験はありませんが、理屈から言えば効果は期待できると思います。

詳しくは、栗本慎一郎さんのホームページやNTT東日本伊豆病院に写真入で載っておりますので一度ご参照ください。(http://www.homopants.com/
また、基本的な考えはV.S.ラマチャンドラン博士の書いた「脳の中の幽霊」角川書店に詳しく書かれています。(ただし、かなり難しいですが)

繰り返しになりますが、あきらめないでください。それと、もうひとつ大事なことは、あなた自身も誰かのサポートを受けてくださいと言うことです。かなりお疲れの様子です。是非、あなた自身も誰かのサポートを受けてください。充電してください。

では、お大事に。




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