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動物には人を癒すパワーがあるって本当ですか?




公園で遊んでいる犬や、ひなたぼっこをしている猫。忙しい日常生活を送っていると、なにげない動物のしぐさに気持ちがなごまされることがあります。

「その理由はまず、人間の脳のメカニズムにあります。ロボットのような計算された動きではなく、木々や風、波、そして動物達の自然な動きを見ると、人間の脳にはα波が出て、興奮状態が落ち着くのです。それが"癒される"という感覚につながります。

また、人間は基本的に、"動物からはあまり攻撃されない"と安心している点、さらには赤ん坊のようなしぐさをする生き物に対して保護的な愛情を注ぐよう、人間の脳がプログラミングされていることも要因のひとつ。動物は人間の赤ん坊に近い動きをするので、"可愛い"と感じるのです。」

"しぐさ"が人の感情に与える影響は、実際大きいとか。なぜなら、身振り手振りそのものがコミュニケーションであり、言葉の原型でもあるから。
「人間の脳には、ミラーニューロンという細胞があります。これは、自分のなかに相手を投影して、『自分だったらこう行動するだろう』とシュミレーションする神経細胞。これによって、相手が何を考えているのか、何をするのかというおおよその予測をします。

例えば、目をうるうるさせているチワワを見てグッとくるのは、人間がチワワを擬人化するため。彼らのしぐさ、表情に共感するのです」

ビデオやテレビで動物を見るだけでも、共感や癒しは感じられますが、現実の同じ空間で触れ合うことで、さらに効果はアップするようです。

「例えば動物園。視覚はもちろん、動物たちの匂いは臭覚を、触れれば触覚を刺激し、いっそう動物たちを身近に感じられます。また、水族館なら直接触れられない代わりに、水のゆらぎがα波を出すので、癒された感は強く感じられるでしょう。

また、ペットを飼えば、共感や愛情はより深いものになるでしょう。なぜなら、ペットは自分がいないと死んでしまうから。エサも水もあげないといけないので、自分の存在意義が出てくるのです。そういった"必要とされている"感覚も、安らぎや癒しにつながると思いますよ」

※引用 阿部聡インタビュー記事 Body+ 2006年6月号 (c)実業之日本社




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