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糖尿病

現代は、だれもが糖尿病になる時代!

「糖尿病はぜいたく病」という言葉をお聞きになったことがあると思います。
では、ぜいたくをすれば糖尿病になるのでしょうか。 もちろんそうではありません。 ところが、食生活が豊かになればなるほど、生活が快適になればなるほど、糖尿病が増えているのは事実です。
日本は、戦後半世紀を経過しました。 戦後のいわゆる混乱の時代は、糖尿病の患者はとても少なかったのです。 それは栄養をとりすぎるというよりは、だれもが空腹な時代だったから。
ところが、戦後の復興が進むにつれて糖尿病の患者が増えはじめ、高度成長とともに急激な伸びを示すのです。 さらに「飽食の時代」がやってきます。 現在、糖尿患者者は推定で600万人。 なんと、40歳以上の10人に1人が糖尿病を患っていると考えられています。
つまり現代は「だれもが糖尿病になる時代」、特別の病気ではなくなったのです。

全身の血管がボロボロニなる病気!

自覚症状がなくて、突然告知される人が8割以上

糖尿病は、放っておくと全身に影響を及ぼし、生命を左右する重大な合併症を引き起こしてしまいます。 この病気のやっかいなところは、病気がかなり進行しないと自覚症状があらわれないことです。 これといった異常も感じない方が、あるとき健康診断を受けます。 そして突然、「あなたは糖尿病です」
と告知される。
こんなケースが、なんと約8割以上。 これらの方は、まさか自分が糖尿病になるなど、夢にも思ったことがない人たちばかりです。 先ほど、現代はだれもが糖尿病になる時代である、と言ったのはけっして誇張ではありません。
糖尿病は、特別な人だけを襲う、特別な病気ではない。このことをぜひ認識してほしいのです。

高血糖値の状態が続くと、血管はボロボロになる

さて、糖尿病とはどんな病気なのでしょうか。 「糖尿病」は読んで字のごとく”オシッコの中に糖が出る病気”です。 しかし、単にそれだけでは糖尿病ということはできません。 重要なのは、血液の中の糖が多すぎること。 つまり血糖値が高いことが前提です。
では、血糖値が高いとは、何を意味するのでしょうか。 原因は、膵臓で作られるインスリンというホルモン不足です。 詳しくいうと、インスリンの量が不足したり、インスリンの作用が低下したりといろいろなのですが、 終局的にはインスリンの作用が弱くなった状態のことです。
私たちの血液には、ブドウ糖が含まれています。 ブドウ糖は、細胞が活動する際のエネルギー源。 ところが、このブドウ糖はインスリンという”パスポート”がないと、細胞に”入国”できないのです。 インスリンというパスポートが不足する、あるいは期限切れであったりすると、細胞へ入ることを許されないブドウ糖が、 血管の中に多数とどまります。 これが、血糖値の高い状態。 過剰になったブドウ糖は、結局、細胞から”入国拒否”され、しかたなく血管を巡った末、尿の中に出てしまうわけです。 これが「尿に糖が出る」という現象です。
こうなるとブドウ糖も困りますが、細胞も困ります。 なぜなら、インスリンの不足によって必要とするブドウ糖が入ってこないために、細胞は正常な活動ができなくなるからです。 一方、血管は血糖が高い状態が続きます。 そのため、過剰に残ったブドウ糖が血管に影響を与え、ボロボロにしてしまうのです。
つまり、糖尿病は、おもに血糖値を一定にコントロールしているインスリンの不足、つまり、パスポートの発行枚数が 少なすぎたり(分泌異常)、期限切れ(作用低下)だったりするために、糖質が細胞から”入国拒否”(代謝異常) されることによって起こる病気なのです。

たんぱく質、脂肪が体の中で有効利用されなくなる

糖尿病の原因は、細胞へのパスポートであるインスリンの不足です。 そのため、パスポートがもらえなくて細胞への”入国”を拒否されたブドウ糖が、血液中で過剰となり、 結果として、ブドウ糖濃度(血糖値)が上昇してしまう病気です。 インスリンは膵臓でつくられます。 これまでブドウ糖を中心にお話してきましたが、インスリンはまた、 たんぱく質、脂肪が体の中で有効利用されるために働く重要な物質でもあります。 それだけに、体への影響力も大きいのです。
糖尿病は、大きく2つのタイプに分けられます。 インスリン注射が必要な「インスリン依存型」とインスリン注射を必要としない「インスリン非依存型」です。

<インスリン注射が必要=依存型>
糖尿病全体の約3%がこのタイプ。若者や子供に多く、ウィルス感染などによる膵臓機能の低下が原因と考えられています。 このタイプは、膵臓で生産されるインスリンの絶対量が不足しているため、体外から補給しなければなりません。 そのためインスリン注射が必要となり、それによって血糖値をコントロールするのです。

<インスリン注射を必要としない=非依存型>
中高年から発祥する、いわゆる成人病としての糖尿病です。 最近急増していることもあり、全体の95%を占めています。 このタイプは、インスリンを生産していても、必要量にやや満たなかったり、 あるいは十分であっても効率よく細胞に作用しないものをいいます。
原因は、遺伝、肥満、運動不足、ストレスなど。治療は、運動療法、食事療法などが中心で、 必ずしもインスリン注射を必要としないのが特徴です。

疲れやすい、喉が渇く、オシッコが多いは要注意

糖尿病の3大症状といわれるのが、全身の倦怠、喉の渇き、多尿です。 また、目のかすみ、視力低下、視力障害、感染症に対する抵抗力の低下、性欲減退、生理不順、インポテンツ、そのほか、 異常な食欲亢進のため、体重が急激に増加したり、大食しているのに、逆にやせていくといった症状を伴うこともあります。
糖尿病の3大症状についてみてみましょう。 まず、インスリンが不足します。 そうすると細胞の活動に必要な糖が細胞に”入国”できず、細胞はうまく活動できません。 ここで全身のだるさ(全身倦怠)が起こるのです。 体はさらに細胞の活動に必要なエネルギー源を要求するため、常に空腹感にとらわれます。 そうすると間食や多食になります。 しかし、食べても食べても、糖がエネルギーとして消費されず、血液中の血糖値は上がるばかり。 血糖値があがると、血液の浸透圧も上昇します。 そのため、濃い(?)血液を薄めようとして、水分をいっぱいとるようになるのです。 一方、腎臓は過剰なブドウ糖をオシッコとして排泄しようとするため、尿の量を増やさざるをえません。 尿の量が増えると体の水分が不足し、喉が渇きます。 そこで水をガブガブと飲む。
「全身倦怠→多尿→喉の渇き」。
これが、多食をあいだに挟んだ、糖尿病の症状のメカニズムなのです。

怖いのは血管障害に関係する合併症

症状のところで、オシッコの量が多くなり、喉が渇くといいました。 しかし、これらは問題の本質ではありません。 多尿でも喉が渇いても、生活には決定的な支障はありません。
糖尿病の合併症は、

(1)腎臓病(糖尿病性腎症→人工透析)
(2)糖尿病昏睡
(3)動脈硬化(心筋梗塞、脳梗塞、手足の壊疽)
(4)目(糖尿病性網膜症=眼底出血→失明)
(5)糖尿病性神経障害(インポテンツ、知覚障害)
(6)免疫力の低下

などです。
なかでも怖いのは、血管に関すること。 繰り返しますが、糖尿病は全身の血管をボロボロにしてしまう病気なのです。
糖尿病は血管の病気(血管障害)に直結しています。 糖尿病の合併症にも、血管障害に起因するものが大きなウエートを占めています。 ボロボロになった血管は、動脈硬化を起こし、もろくなり、最悪の場合は、詰まったり、切れたりします。
血管のトラブルが目で発生すると、網膜症・眼底出血など。 脳や心臓なら、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞、狭心症など。 腎臓では腎不全など。 末梢血管で起きると、手足のしびれ、マヒ、さらには壊疽ということになるのです。
このように糖尿病とは、オシッコに糖が出てくるだけの病気ではありません。 それはあくまでも症状の1つ。 この病気の本質は全身の血管がボロボロになっていくということなのです。
糖尿病は一生治らない病気です。 しかし、上手に血糖値をコントロールすることで、合併症を免れ、しかも、治ったような状態で生活することができます。 自分にあった方法で、無理なく、長続きさせることが大切です。
現在では「血糖値の自己測定装置」の普及で、自宅で自分の血糖値がわかります。 また、健康な人でも、検査テープを使い、尿に糖が含まれているかどうか、チェックしてみることを勧めします。


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